雪の舞う、木枯らしの吹く季節は心も体も冷えきってしまいそうな気がする。こ
れに不景気という名の風まで吹く日には、財布までも冷えてしまう。
こんな時は心から温かくしてくれる「ひっぱりうどん」が一番。最近は居酒屋の
店先にも「ひっぱりうどん」の文字を目にするようになったが、それぞれの家庭に
様々な味がある、今回は歩かずに食べてみた。
この「ひっぱりうどん」は、この地の者にとってはあたり前の食べ物であるが、
全国的には珍しいと聞く。他の地の人は、乾麺を冬にはあまり食べないそうなので
ある。
そこで、私流においしい「ひっぱりうどん」の食べ方を一つ。まず、鍋にたっぷ
りのお湯を沸かし乾麺を入れる。やや硬めに煮えた所で火を止め、鍋のまま食卓の
中央に置く、そこで麺を湯の中からひっぱりだしてアツアツの所をタレに付けて食
べる。
タレの基本は納豆に醤油。トッピングする物として、ネギ・鰹節・生卵等、あと
はオプションでサバ缶・唐がらし・大根オロシそれにおみ漬(天童温泉紅の庄向い
の「居酒屋たすき」さんで入っていた)等がある。また、変わったところで納豆と
バターに砂糖という洋風(?)の食べ方や、納豆の飽きた人にそばのつゆや中華スー
プなどもある。
家毎に色々な食べ方があり、寒い日には応えられない味の「ひっぱりうどん」。
こんなに素晴らしい創造的な味を生み出した地にいることが誇らしく思える。また、
この楽しみを知っているという優越感すら沸いてくるのは私だけだろうか。
また、天童市内に製麺業の方が13軒も居る事は新たな驚きだった。(別表参照
・山形市内は11軒)やっぱり「ひっぱりうどん」はこの地の名物なんだ。
さあ、次は寒くても外へ出て、どこへぶらっと寄ってみようか。
(別表)
大山製麺 山口 奥羽製麺 柏木 奥山製麺 成生 後藤製麺 久野本
佐藤製麺 寺津 昭和製麺 老野森 鈴木製麺 清池 天童製麺 山口
中島製麺 本町 萩原製麺 東長岡 山形製麺 高擶 山本製麺 老野森
渡辺麺工 蔵増 五十音順