『天童私選百景』


舞鶴山から見た夜景

天童の風景をかたる場合は、やはりこの夜景を抜きにしては始まらない。
人間将棋の行われる、巨大な将棋盤を見下ろす将棋供養塔の脇を北にしばらく歩くと、目的の場所に 到達する。そこは、四季を通して市民に親しまれている舞鶴山の象徴である大けやきがそびえ立つ、ちょっとした広場になっている。
この山頂の広場からは、天童市の中心街から北の外れまでが一望できる。すぐ目の前には天童温泉の近代的な ホテル群が軒を並べ、すばらしい夜景に花を添えているようにも見える。
近年展望スペースも設けられ、より市民に開放された広場に変わってきた。若者にも人気のデートスポットでもある。
この夜景を見る度に、自分はこんなにきれいな街に住んでいるんだと言うことをつくづく感じさせられる代表的な風景である。

年末に灯る光のオブジェと巨大クリスマスツリー

天童温泉の西側には近代的なホテル群が立ち並んでいる。冬もクリスマス間近になると、毎年 そのホテル群の一郭に巨大なクリスマスツリーが出現する。現在はどうかわからないが、以前はまぎれもなく 日本一大きいツリーであった。このツリーは「ホテル王将」の協力により作成されている物で、もう数十年に渡り続けられている。
また、このツリーの場所から天童駅前までの区間には、ミニ電球で象られた光のオブジェが並び、クリスマスをいっそう盛り上げている。車の通らなくなった深夜に眺めると、そこはまるでおもちゃの国に迷い込んだような気にさえさせるファンタジックな空間へと変身する。 (最近は残念ながら実施されていません)

幻の水晶の川と水晶山

天童の東、山口地区に水晶山と言う名前の山がある。この山は、その名の通り以前には実際に水晶が産出されていた。
数十年前にこの山に登った時不思議な物を見た。
崖の遥か下の方に川が流れているように見えるのである。興味がわきその場所まで降りてみた。するとそこは2〜3m四方の狭い空間になっており、一面水晶が敷き詰められていたのだ。きっと崖の岩肌から流れ出てきた物が自然にこの場所に集まってきたのだろう。崖の木々に隠され、わずかに見えた水晶の絨毯が川のように見えたのだった。
今でもこの水晶の川が存在するのかは定かではないが、こんなロマンを感じさせる山がここ天童には存在する。

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点在する小さな桃源郷

天童は果樹王国である。春になるといっせいに花を咲かせ始めるが、その中でも桃の花の彩りは群を抜く。
そんな桃畑の中には、菜の花やタンポポの黄色と、緑の絨毯が見事にマッチしている畑をたまに見かける。
それぞれの花の開花タイミングが合わないと、この色のハーモニーはなかなか見ることが出来ない。
天童ではこのような風景があちらこちらで見かけることが出来るのである。
(写真はJA天童前の畑)

春に出現する紫の山


国道13号沿いには、平成4年にべにばな国体の中核施設として誕生した山形県総合運動公園がある。
その後私設は広く市民に解放され、特に全体の1/3を占める公園部分は市民の大事な憩いの場所となっている。

この公園の一郭に小さな丘があり、毎年春になると見事な紫の絨毯を身にまとい、市民の目を和ませてくれる。
その鮮やかさには一瞬目を疑ってしまうほどのすばらしさであり、この丘の向こうのアスレチック施設で遊ぶ子供たちを、丘の頂上から見下ろすと、そこはまるで別世界にある子供の国に迷い込んだ気持ちにさえなってしまうような、美しい場所なのである。


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