1999/05/22
星賀光の
電網的ふしぎの旅
電網の世界を旅している皆さん、いかがお過ごしでしょうか。まずはインターネットの扉を開き、世界中に広がる網の目を縫うように色々なページを見てこられると、時間や空間に対する感覚が、これまでと違って感じられるようになりませんでしょうか。 これまでならば、プロ野球ナイトゲームの結果を見るために朝刊を楽しみに待っていなければいけなかったことが、インターネットになると試合後すぐに確認することができてしまう。またサッカー等地球の裏側で活躍する日本選手の活躍も、インターネットならばリアルタイムで知ることができる。それ以上に、これまでならば新聞に載ることも無かったような小さなローカルな話題でも、インターネットならばどこかで情報提供されている。 こう考えると世界的に広がっているインターネットは、確かに大きくて広い網かもしれないけれど、メディアの中では自分にもっとも身近な存在とも言えるかもしれない。 今年からサッカーJ2リーグに参戦しているモンテディオ山形。今年になってからは、新聞やテレビでもよく取り上げられるようになった。しかし、ほんの5年前JFLに昇格した当時は、詳しい試合結果を知ることは至難の業。地元誌には何とか載っているものの、それ以外のメディアでは試合結果の得点程度が関の山。試合の内容を当日知ることは無理に近かった。でも、そんな環境の中でも情報を得る方法は存在していた。それはパソコン通信の電子会議室(ニフティサーブ※1・サッカーフォーラム)であった。試合経過や試合の結果、試合を見ての感想など様々な情報が載せられている。但しこれらの情報を提供している人は、新聞記者や特派員などではなく、ましてやチーム公式広報係の人でもない、普通のファンの人同士である。自分の観戦してきた試合の内容と結果を書き込んでは誰かがそれを読む。それを集計して書き込み、また誰かが書き込むという内容だった。 このように誰でも簡単に情報発信でき、情報収集できるページを掲示板(電子会議室・BBSとも言う)などと言いインターネットの上でも盛んに繰り広げられている。 天童に関する身近な情報交流では「てんどうニュース※2」の中にある掲示板にも様々な人の書き込みがある。 ある日茨城県の人が、山形県運動公園で行われるシャランQのコンサートに関する情報が欲しいとの書き込みがあった。それを読んで様々な人から返答があり、無事コンサートを楽しんだという。そして後日、その人がコンサートを見て感動し、天童の温かい人情に触れて感動した事を書き込んでくれていた。 またアメリカのサンディエゴから、天童市出身の人が自分のホームページのPRしていた。 現実の社会は、時間や空間や国境などという壁が存在している。しかしインターネットの世界は、そのどれもが存在していないように感じることがある。自由であることは間違いないのだが、そんな世界だからこそ大切になってくるのは、自分であり地元なのかもしれない。自分の存在がフラフラしているとインターネットの大海原で遭難してしまうかもしれない。そんな事にならない為も、もう一度自分自身をそして自分の住んでいる地域をじっくり観察してみるとまた新しい世界が広がってくるかもしれない。 ※1 ニフティサーブ http://www.nifty.ne.jp (現在は@niftyとなっております http://www.nifty.com) ※2 てんどうニュース http://www.jvnet.or.jp/~bazc9001/ |