提言

社団法人天童青年会議所
理事長  須藤 智


 
 私たちの周りには、いつも四季折々の素晴らしい自然があります。自然はいつでも暖かく私たちを包んでくれています。しかし、その中で暮らす私たちは、大きな変革の時を迎えています。これまでの時代は、経済的発展を目的にあらゆるものが連携した社会システムでした。この社会システムは、複雑で多様になってきた社会状況の中では、うまく機能できなくなってしまいました。また無理に現在の社会に当てはめることは、逆に歪みを大きくする結果になっています。本年度天童青年会議所の活動において、それぞれの個性を認め合い、より自発的な行動を伴った運動へと向かう為、一段高い「基礎作り」をテーマに活動しています。
 
 基礎作りとは。現在の混沌とした社会では、「あたりまえ」のことを「あたりまえにする」ことが、より求められています。しかし、言葉だけの「あたりまえ」を大切にしていると、自分から前を向くことを忘れ、後ろ向きの姿勢におちいり、前例主義を「あたりまえ」と感じてしまうことがあります。いつまでも無くならない官僚への接待・賄賂などは、その典型といえるかもしれません。「あたりまえ」と言われている事でも、もう一度その意義を考え、改めて本質を理解することが「基礎作り」です。
 
 そして作り上げられた基礎の上に、自分たちで目標を定め、自分たちで行動することが新しい時代には必要になってきます。そこで、まちづくりを考える時には、地域主権型社会の推進が大切になってくると思います。それらを実行していくためには、これまで慣れ親しんだぬるま湯のような環境から一歩抜け出すことが必要と考えます。
 
 天童青年会議所では、より多くの方とのつながりを大切に考え、市内の自発的な活動を行っている様々な団体の方と一緒に行動しています。まちづくりを考える「ピクセス(夢まちデザイン会議)」、環境を考える「もったいない懇話会」、福祉・ボランティア団体の方との「ネットワーク会議」、そして夏まつりを考える「みこし部会」「翔龍会」など、多方面にわたり活躍されている方々と共に活動をしています。自分の『まち』の為に、何かやってみたいと思う気持ちを、大切にしていきたいと考えます。
 
 更に、天童市政40周年記念事業への取り組みとして、未来に発信「こども議会」を開催します。この「こども議会」は一泊二日の事業となり、子供達が実際に体験を通して感じたことを子供の目線で考え、議会場で発表する内容になっています。自分のことは自分でという「あたりまえ」のまちづくりを子供達の発言から感じて欲しいと思います。そして、1999年には社団法人日本青年会議所全国会員大会が、社団法人山形青年会議所の主管で行われます。この時にも全国からやって来られる皆さんに対し、天童ならではの情報発信ができるよう現在準備を進めています。
 
 4月から、これらの活動内容をインターネットのホームページを通して発信していきます。天童青年会議所では1996年よりペーパーレス会議と称し、理事会の資料をパソコンで読める形にしパソコンを持ちよって会議を開いています。今年度は、更に事前に電子メールで資料配布を行い、いつでもインターネットに発表できる形になってきました。これらの会議資料には、天童青年会議所のすべての活動が入っています。このホームページは情報の開示と共に、意見交換の場としても利用できる中身になっています。インターネットという道具を使いながら、より多くの方とつながりを持ち、大好きな自分たちの『まちづくり』の為に活用していきたいと考えています。
 
 時代は変わっても、自分の住む『まち』を愛し、『まち』の為に自分から行動を起すことができれば、素晴らしい社会を作り上げることができることと思います。

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