浮世話4

高級鋏

最近、自宅で子供さん頭をカットする「ママさんカット」が流行です。理容店の店主としては、売り上げダウンにつながり、ひじょうに頭を悩ませるブームです。これも全て、スーパーなどでカット鋏やスキバサミを3000円位の低価格で売っているからと、自分は逆恨みしています。プロはそんな安物使いません。
たいていは、みなさんプロ使用の鋏の値段を聞いてびっくりします。基本的に、理容師が使用している鋏の、平均値段はだいたい5万円〜10万円くらいではないでしょうか。ちなみに僕の使用している鋏の値段は5万円のやつと7万円のやつです。「そんなにするの?」とお思いでしょうが、毎日使うし、飯の種になる大切な道具です。これぐらいは当然でしょう。
25万や30万なんてのもざらにあります。値段が高い鋏は、長切れして、いい鋏といわれています。
自分が聞いた中で最高値段の高い鋏は80数万円というのがあります。それは、別にすごい切れ味とかではなく、鋏の様々な所にルビーやダイヤモンドがちりばめてあるという物です。現物は見せてもらってはいませんが、とある講習会の先生が特注でハサミメーカーに作らせたそうです。う〜ん、軽自動車買えますよね。


世界の理容

ベトナムに長期滞在したお客さんから聞いた話。、散髪してもらおうと理容室を探したら、みんな路上でカットしてるのだそうです。「なぜ、店があるのに、外でカットしているんだ?」と聞くと、一言「暑いから」と返ってきたそうです。
しっかりした設備があるのだが、クーラーなど当然ないのか、丸椅子をもってきて、店の前にだしてそこでカットしているのだそうだ。バケツにくまれた水や錆び付いたようなハサミを見て、やっぱり日本でカットしてもらおうと考え直したそうです。

タイ人のお客さんの話。仕事で各国を飛び回っている方で、散髪は必ず日本でするという。日本の理容室が世界で一番衛生的で安心できるという。よその国では、感染する病気が心配だし、危なくて顔剃りなど、絶対してもらえないとのこと。「日本ハ、美容室に男のスタッフがたくさんいますが、外国デハ、あれは笑いものデス。東南アジアのビューティーサロンの男性スタッフは、みんなオカマかホモです。それをアピールして、サロンで働いているので、そういう人が好きな男性が行って指名します。もちろん違う意味でも・・・」と、語っていましたが、本当なのかな!?


おみやげ・・・!?

ちよっとした勘違いの話。
カットしていて、お客さんに「もみあげは、どうなされますか?」と尋ねた。すると、お客さんはびっくりしたような顔で、こちらを向き「えっ、ここの店はおみやげをくれるのですか・・・」どうやら、「もみあげ」と「おみやげ」を聞き違えたようだった。いくらなんでも、おみやげをくれる理容室はないと思うけど・・・。


脱色の仕方

最近は、カラーブームもあってか、スーパーなどに行くと、棚の端から端までズラリと脱色剤(染毛剤)が並んでいます。値段も安く、自分達がみても良い品がたくさんあります。今の若い子は、苦労しないでいい脱色ができるのです。しかし、自分達の若い頃は、そうはいきませんでした。そこで、理容師未公認「こんなんで、脱色できます。でも髪はボロボロに痛むわよ!」のコーナー。
散髪屋の息子に生まれると、髪では苦労します。ちょっと流行の頭にしたいと思っても、「チャラチャラしやがって、色気づくのはまだ早い」とオヤジに怒られ、いつもの刈り上げにされてました。他の理容室にもいけないし、学生時代に脱色するなんてもってのほかでした。
そこで、でてくるのがお馴染みの「オキシドール」です。一般的には脱脂綿にしみ込ませて、髪をなでるように塗布します。全体的にしたいときには、そのままふりかけてもOKです。注意するのは、今はうすめたものが売っていますが、原液をそのままかけると、髪が焼けますのでご注意ください。
自分は「ビール」を使用していました。風呂場で洗面器にビール一リットルを注ぎ、頭をそこに入れて髪を浸します。それを数回繰り返し、くしでコーミングします。そのまま、流さずに一晩おけばバッチリです。ビールに浸した髪は、翌朝バリバリになっているので、すぐ朝シャンしてください。
当時は、脱色すると「ヤンキー」と呼ばれました。今思えば、けっこう無茶な脱色していましたねぇ。
でも、現役理容師がこんなこと書き込んで良いのだろうか・・・!?